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便秘

便秘とは

便秘の定義は明確にきまっているわけではありませんが、1日3回から3日に1回位までが正常とされています。

1日1回の便があっても、1回の便の量が少なく、腹満感等の症状がでれば便秘となります。

便秘には様々な種類の便秘があり、他の病気が隠れている可能性もあります。

特に慢性的な便秘の場合は、長期に下剤を飲んでいる事が多く、多量の下剤を内服している事もよく見られ、下剤を少なくしていく事は簡単には行かないこともあります。

通常、口から摂取した食物は、だいたい30時間位で、便として肛門から排出されます。

慢性的便秘の方は、便の作られかた、大腸での便の運ばれ方、大腸、肛門での反射のいずれかに異常があることが多くあります。

便秘の種類

便秘の原因には大きく分けて「器質性」と「機能性」があります。

「器質性」とは物理的な原因を意味し、便の流れる通路である消化管(胃、小腸、大腸、肛門)に物理的な障害(便を通過させない)があることをさします。

「機能性」 とは、排便機能のメカニズムそのものの障害で、自律神経が正常に働かないことや腸の力、腹筋等が弱くなりおこる便秘です。

器質性

大腸癌、直腸癌、腸閉塞等の狭窄によるもの
直腸瘤、直腸脱、直腸重積等によるもの
慢性裂肛、複雑痔瘻などにより肛門拡張が悪いもの

機能性

弛緩性:腸の動きが弱くておこるもの
直腸性:直腸のセンサーが鈍くなりおこるもの
痙攣性:腸が痙攣しておこるもの

一過性・単純性

ダイエット等食事の量が少なかったり、環境の変化があったりして、一時的に便秘になるもの

症候性

糖尿病など他の病気によるもの

薬剤性

薬の影響によるもの

慢性便秘は、一般的に弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘から起こる事が多いです。
ただし、便秘は一つの要因だけではなく、様々な要因がからまっておこっている事が多くあります。

便秘の検査

症候性、薬剤性便秘がないか、現在の内服薬のチェック、血液検査等の全身のチェックをまず行います。

大腸検査を最近行っていなければ、大腸内視鏡検査を行い、大腸癌、直腸癌のチェックを行います。

大腸癌、直腸癌等が無い場合には、食事指導、生活指導、排便習慣の改善、必要であれば内服薬の処方を行うと共に、下記の検査を行います。

・消化管通過時間検査
・排便造影検査
・直腸肛門機能検査
・肛門超音波検査

便秘の治療

当院では便秘に対しても積極的に取り組んでおります。

便通に対する体が元々もっている反射を利用するように、生活指導、食物繊維を多くとって頂くための食事指導、下剤を飲み過ぎている場合には、下剤の服薬指導等を行います。

下剤には様々な種類の下剤があり、患者様の状態にあわせて、下剤や消化管運動調節薬、漢方薬を服用していただきます。

骨盤底筋の強化のために骨盤底筋体操、低周波治療や肛門括約筋の協調運動を訓練するためのバイオフィードバック療法等を行う事もあります。

直腸瘤、直腸脱、肛門狭窄の方には程度にもよりますが、手術を行います。