当院のいぼ痔の手術は、ジオン注射療法、切除術(vesselsealing system也超音波メスを使用した半閉鎖法)及びジオン注射と切除術を組み合わせた併用療法を主に行っております。
痔の状態は患者様により多種多様で、同じ状態の痔はありません。それと共に痔核に対しての手術方法はそれぞれ利点欠点があり、その利点欠点、患者様の痔の状態を十分に検討し、更に患者様の希望(根治性を優先するか、入院期間や術後の疼痛減少を優先するのか)も加味して手術方法を決定していきます。
当院では併用療法を早期より行っており、併用療法の適応判断にも十分な経験がありますので安心しておまかせ下さい
内痔核は、下図の内痔静脈層や、外痔静脈層が膨らんでくる病気で、症状としては出血、脱出、痛みなどの症状があります。
概要:肛門のふちの皮膚から外痔核、内痔核の部分まで切除し、奥から縫ってくる方法。
利点:確立された方法で根治性が高く、起こりえる合併症等も十分検討されている。
様々な痔核に対応が可能で安心して行える手術の方法である。
欠点:内痔核の個数、状態にもよるが基本的に7日から14日の入院が必要。
手術後の痛みがある。(痛み止めでほとんどは、痛みが押さえられます。)
概要:内痔核の数ヶ所に直接お薬を注射する方法
利点:日帰りから一泊2日の短期入院で施行することが可能で、手術後の痛みはほとんどない。
欠点:注射をして効果がでるのに時間がかかる。(ほとんどの人は翌日には脱出しなくなります)
外痔核の腫れが大きい痔核は適応外。極めて稀ではあるが、直腸潰瘍等の合併症が出現する事がある。
この治療法の適応であった痔核は現在はジオン注射で治療が可能で、ジオン注射療法のほうが治療効果が高く、再発も少ないため現在はほとんど行っておりません。
概要:半導体レーザーのエネルギーを吸収しやすい、ICGというお薬を痔核に注射後、レーザーを照射し痔核を縮小させる。
利点:局所麻酔で行える。手術後の痛みが少ない。
欠点:大きな痔核にはあまり効果がない。再発率が他の方法より高い
概要:脹らんだ痔核の根元をゴムでしばる事により痔核を縮小させる方法。
利点:外来で可能、局所麻酔も不要である。疼痛が少なく体への負担が少ない。
欠点:あまり大きい痔核や、硬い痔核にはゴムがかからないため、施行困難。比較的効果が短く、外痔核に行うと痛みが強いため外痔核には施行できない。また、大量出血を起こすことがあるためこの方法の適応症例の大部分も現在はジオン注射療法で行っております。
この手術方法は治療効果に対して体に対しての侵襲が高く現在は肛門専門病院ではほとんど行っておらず、当院でも基本的に行っておりません。
概要:機械で内痔核直上の粘膜を全周性に切除し、同時に縫い合わせる。
切り取られる痔核は一部分であり、内痔核を上のほうに吊り上げて固定する方法。
利点:手術後の痛みが少ない。皮膚側に傷をつくらないため、傷の治りも早い。
欠点:全周性に脱出する内痔核が基本的な適応で、適応が限られる。
PPHの適応は、現在、ジオン注射療法で治療する事が多い。
重篤な合併症が出る事がある。(十分に注意する事でほとんどの合併症は回避できる。)